頭の屁

頭だっておならをします。脳のおならを集めてみました。

今こそ「人類補完計画」を

「2015年、『人類補完計画』始動を始動させる」

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「ネットを一日、いや数時間でいい、眺めてみろ。現代の人類がいかに醜悪かがお前に理解できるだろう」

「まずニュースを見ろ。宗教とナショナリズム、利権、貧富の差、そして武力衝突。中東の現状はまさに人類の『罪』を凝縮したものだと思わないか?」

「そこからの難民を受けれている欧州も、今や死に体だ。ギリシャ危機に端を発した各国の利害対立はもはや拭い難く、ヨーロッパ連合の、人類の理想はけっきょく絵空事にすぎなかったことを教えてくれる」

「遠すぎて実感がわかない? なら日本に目を向けてみろ。自分と違う考えをする・境遇の者を敵とみなし、それにいちゃもんをつけて溜飲を下げるだけの連中でトラフィックはいっぱいだ。残りは承認欲求を満たしたい、あるいは金儲けをしたい餓鬼どもで埋まっている」

「こんな筈じゃなかった、とお前は言うだろう。誰もが平等に情報を発信し、集合知で以って世界はより良くなる筈だったと」

「だが現実は違った。人々はそれほど賢明でも、優しくもなかった。後期近代でもリキッド・モダニティでも島宇宙化でも構わない。人々はバラバラになりすぎた。皆が信じられる大きな物語など、前世紀に崩壊している」

「信じられるのは自分と、せいぜい賛同者だけだ。結果、自分と自分の信条・立場がいかに優れているかを競い合う場にネットは変わった。お前も大なり小なり、そのゲームに参加しているだろう? ネットはいまや、万人の万人に対する闘争の場になっている」

「私は疲れた。ネットを見て得られることよりも疲れることのほうが最近は多い。お前はそうではないのか?」

 

「人類はひとつになるべきだ。最近のネットを見ていると強く思う。母のもとに戻り、ひとつになろう」

「人類の発展? 発展した結果がこれだ」

「他者とわかりあうための努力? それをするのは自分が気に入った他者に対してだけだろう。その他の大多数は路傍の石のように黙殺されている。人間は半径3mの範囲にしか優しくできない。それでもなお、ほんとうの意味で他者を理解し、受け入れることがどれほど困難か、お前も知っている筈だ」

「進歩や努力が全ての人々を幸せにしていると、ほんとうに思うのか?」

 

「争いもない。差別もない。格差もない。誰かに苛立たされることも、苛立たせることもない。羨むこともない。不安もない。承認欲求に飢えることもない。穏やかなで平等な世界だ」

「もう争いは止めにしよう。母の元へ還ろう。皆でひとつになろう」

 

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現代ほどエヴァンゲリオンの「人類補完計画」が必要とされている時期はない。

 

過去の人類史を遡れば、個人にとってもっと不幸だった時代はいくらでもあるだろう。

だがその当時には社会的靭帯は今より機能していただろうし、何よりネットがなかった。

ネットは全てを可視化させる。私にとって見たくない聞きたくないことまでも。

私はもう疲れてしまったのだ、ネットに。

巨大綾波の母胎の中で甘くて温いクリームのごときものに包まれ、胎児のように眠りたい。

 

最後に、当記事は下記記事とそのはてなブックマークコメントに触発されて書いたものである。ブログ筆者であるid:NOV1975氏、ならびにブックマーカーであるid:vndn氏に感謝したい。

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